このサイトは「賃貸住宅契約法」の実現をめざす社会運動のサイトです。
◆賃貸住宅契約法
〜住宅を借りる費用を軽減する法律〜
法案(試案) ※このページの読了時間はおよそ8分です。
以下は、「賃貸住宅契約法」の試案です。
不備にお気づきの方やご意見のある方は、ぜひお寄せください。
※各条文の番号が「○」になっているのは、新たに条文を追加した場合に、その後に続く他の条文の番号をいちいち変更する手間をはぶくためです。お気になさらずにご覧ください。
※みどり色の文字は注釈です。
賃貸住宅契約法(試案)
<目次>
第一章 総則
第二章 新規契約
第三章 保険
第四章 保証人会社利用
第五章 更新
第六章 値上げ
第七章 解約
第八章 生活上必要とする各種サービス
第九章 その他
第十章 罰則
第一章 総則
(目的)
第○条 この法律は、賃貸住宅契約における支払い等の規則を設けて、貸主および仲介業者が不当な暴利を得ることを阻止し、もって借主である市民(とくに低所得者)の生活の安定に資することを目的とする。
(定義)
第○条 この法律において「貸主」とは、住宅の賃貸契約において、住宅を貸し、その賃料を得る者をいう。
第○条 この法律において「借主」とは、住宅の賃貸契約において、賃料を支払うことを条件に住宅を借りる者をいう。
第○条 この法律において「仲介業者等」とは、住宅の賃貸契約において、貸主と借主を仲立ちし、契約の諸事務を執り行う者および賃貸住宅物件の管理を業務とする者をいう。
第○条 この法律において「領収」とは、たんに支払いを受けて得ることだけではなく、一時的に預かること、すなわち「受託」も含むものとする。
第二章 新規契約
(仲介手数料)
第○条 仲介業者は、借主に対して、家賃1ヶ月分の54%を超える額を仲介手数料として請求してはならない。
(敷金)
第○条 貸主および仲介業者等は、敷金を領収してはならない。
2 貸主が借主に敷金を求める場合は、国がこれを借主から受託するものとする。
3 前項の敷金の額は、賃料の1ヶ月分とし、これを超えてはならない。
4 前2項の規定に基づいて、国が敷金を受託する場合、国は、貸主より手数料を徴収することができる。
5 前項の手数料の額はこの法律に関する事務を所管する行政機関の長が告示するものとする。
第○条 貸主および仲介業者等は、賃貸物件の1ヶ月の賃料がこの法律で定める金額未満である場合には、借主に対し、国に敷金を預けることを要求してはならない。
2 前項の金額については、この法律に関する事務を所管する行政機関の長が告示するものとする。
※金額は10万円ぐらいと考えています。この理由は金額を制限する目的が低所得者の家計を保護することであるからです。
(礼金)
第○条 貸主および仲介業者等は、礼金を領収してはならない。
(管理費)
第○条 貸主および仲介業者等は、管理費を領収してはならない。
※管理にかかる費用は、すべて1ヵ月分の家賃に含めて請求しなければならず、管理費という名目で請求することはできないということです。
(共益費)
第○条 貸主および仲介業者等は、共益費を領収してはならない。
※これも管理費と同様に、共用部分の維持管理にかかる費用は、すべて1ヵ月分の家賃に含めて請求しなければならず、共益費という名目で請求することはできないということです。
第三章 保険
(契約代行手数料)
第○条 貸主および仲介業者等は、借主より、保険契約手続きの代行手数料を領収してはならない。
(業者等の選定の禁止)
第○条 貸主および仲介業者等は、借主が契約する保険の業者および商品を選定してはならない。
(紹介と契約代行の条件)
第○条 貸主および仲介業者等は、借主が賃貸住宅契約日までに保険契約を締結していない場合は、借主に対し、保険の業者および商品を紹介することができる。また、借主が承諾するならば、保険契約手続きの代行を行うことができる。ただし、この場合においても、代行手数料を借主より領収してはならない。
第四章 保証人会社利用
(利用料)
第○条 貸主および仲介業者等は、借主より、保証人会社利用料を領収してはならない。
(契約代行手数料)
第○条 貸主および仲介業者等は、借主より、保証人会社利用契約手続きの代行手数料を領収してはならない。
(低賃料物件の借主に対する利用強制の禁止)
第○条 貸主および仲介業者等は、賃貸物件の1ヶ月の賃料がこの法律で定める金額未満である場合には、借主に対し、保証人会社を利用することを要求してはならない。
2 前項の金額については、この法律に関する事務を所管する行政機関の長が告示するものとする。
※金額は10万円ぐらいと考えています。この理由は金額を制限する目的が低所得者の家計を保護することであるからです。
(業者等の選定の禁止)
第○条 貸主および仲介業者等は、借主が利用する保証人会社およびその商品を選定してはならない。
(紹介と契約代行の条件)
第○条 貸主および仲介業者等は、賃貸物件の1ヶ月の賃料が第○条(低賃料物件の借主に対する利用強制の禁止)第2項で定める金額以上で、借主に保証人会社の利用を要求できる場合において、借主が賃貸契約日までに保証人会社利用契約を締結していない場合は、借主に対して、保証人会社およびその商品を紹介することができる。また、借主が承諾するならば、保証人会社利用契約手続きの代行を行うことができる。ただし、この場合においても、代行手数料を借主より領収してはならない。
第五章 更新
(更新料)
第○条 貸主および仲介業者等は、賃貸住宅契約の更新において、借主より、更新料を領収してはならない。
(更新手数料)
第○条 貸主および仲介業者等は、賃貸住宅契約の更新において、借主より、更新手数料を領収してはならない。
第六章 値上げ
(契約期間中の値上げの禁止)
第○条 貸主は、契約期間中は、賃料を値上げしてはならない。
(更新後の値上げの通知)
第○条 貸主は、契約更新後の賃料を値上げする場合は、前契約期間満了の6ヶ月前までにその旨を借主に通知しなければならない。
※これは、あくまで通知の義務を定めただけのものであり、国が値上げを承認するとか、更新後は借主に値上げした賃料の支払いの義務が生じるということではありません。つまり、値上げした賃料の支払いを借主が拒否することを制限するものではありません。
2 前項の通知については、内容証明郵便にて証拠を残さない限り、通知の事実を認めないものとする。
第七章 解約
(解約料)
第○条 貸主および仲介業者等は、契約期間中の解約において、または、契約期間の満了時の解約において、借主より、解約料および違約金を領収してはならない。
第八章 生活上必要とする各種サービス
(料金徴収の禁止)
第○条 貸主および仲介業者等は、借主より、次の各号にかかげるサービスの料金等を徴収してはならない。
一 水道
二 下水道
三 ガス
四 電気
五 電話
六 テレビ
七 インターネット回線
八 プロバイダー
(業者等の選定の禁止)
第○条 貸主および仲介業者等は、前項の各号にかかげるサービスの業者および商品を選定し、その利用を借主に要求してはならない。
第九章 その他
(町内会費)
第○条 貸主および仲介業者等は、契約物件の所在地の町内会を代理して、借主より、町内会費を徴収してはならない。
(ハウスクリーニング)
第○条 貸主および仲介業者等は、入居時および退去時において、借主に対し、ハウスクリーニング代を請求してはならない。
※営利目的の賃貸物については、次の消費者が快適に利用できるように、また、賃貸物の汚れによって汚損被害を受けないように、外観を保守すること、清掃し衛生的にすること、これらは賃貸物を提供する側の当然の責任です。レンタカーの洗車や車内清掃はレンタカー会社が行います。レンタルDVDの消毒は、DVDレンタル店が行います。同じように賃貸住宅のハウスクリーニングは、貸主または貸主より管理を委託されている業者が行うべきことです。あまりにもひどく汚している場合は別ですが、無料で借りているわけではないのですから、「借りたものはきれいにして返すのが当然」という考えを適用することは間違っています。ハウスクリーニング代は全額貸主側の負担とするべきです。
(法定外名目の請求の禁止等)
第○条 貸主および仲介業者等は、この条文の改正を経ずして、次の各号に掲げる名目以外に、借主に対し、料金等を請求してはならない。
一 賃料
二 仲介手数料
2 前項の規定にかかわらず、借主に利用の自由があるものについては、借主に対し、料金等を請求することができる。
※例:駐車場利用料、物置やトランクルームの利用料、会議室利用料、ゲストルーム利用料など。
3 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、料金等を請求してはならない。
一 提供する場所や施設等が専用的ではない場合
※たとえば、敷地内の空いているスペースに駐輪してよいという場合
二 借主の利益の享受が不確実な場合
※たとえば、一応駐輪場があることはあるが、特定の場所を専有できず、どこに置くかは早い者勝ちという場合たとえば、敷地内の空いているスペースに駐輪してよいという場合
第五章 罰則
第○条 この法律に定める各禁止規定に違反した者は20万円以上100万円以下の罰金に処する。
第○条 第○条(仲介手数料)の規定に反して、借主に仲介手数料を半分以上負担させた仲介業者は20万円以上100万円以下の罰金に処する。
第○条 第○条(更新後の値上げの通知)の規定に違反した者は20万円以上100万円以下の罰金に処する。