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高齢労働者講習

  〜職場の迷惑高齢者対策

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追録02 ※このページの読了時間はおよそ5分です。

加齢の影響

ここでは「追録1」を補足します。

「追録1」において、「加齢によって形成される(または強まる)心理が迷惑行為の原因になっている」と述べましたが、これについて説明します。高齢者を区別して特別に講習を設ける必要性、つまり「高齢労働者講習」の必要性の判断は、高齢労働者による迷惑行為の発症に対する加齢の影響の大きさを見ることで行うことになります。そこで、以下に「加齢によって形成される(または強まる)心理が迷惑行為の原因になっている」ということを詳しく説明します。

まず、ここで言う「加齢」とは次のことを意味します。

●身体が老化する。

●時代への適応力が低下する。

●死期が接近する。

●年金を受給して生活する。

●人間関係が移り変わる。(死別、希薄化、孤独化)

●経験を積み重ねる。(そして、心がゆがむ。)

そして、「心理」とは次のことです。

@病的な承認欲求(自己顕示欲)

A向上心の喪失

B心の緩み(道徳心や自制心の希薄化)

C気遣いの衰退

私はこれら4つの心理が高齢労働者による迷惑行為の大きな原因であると考えています。

次に、加齢の影響の大きさをご理解いただくために、上記4つの心理の形成について具体的に説明します。それらの心理はそれぞれ次のように生じていると思います。

【 】書きの見出しは形成過程に介在する心理です。

※見出し横の( )書きは形成過程を簡潔に表現したものです。

※各文段の末尾に結果として起こる迷惑行為の具体例を緑色で例示しています。

◆◆◆ @病的な承認欲求の形成 ◆◆◆

 【不安】(身体の老化→不安→病的な承認欲求)

老化による自分の身体の衰えを自覚する。→ 他人になめられたくないという意識または無意識の突き上げが強くなる。→ 病的な承認欲求が湧き起こる。(例:武勇伝を話す。)

 【過信】(身体の老化+時代適応力の低下→過信+不安→病的な承認欲求)

老化による衰えを自覚する。+ 時代の変化についていけない感じを抱く。→ これらに対する反発的な自己肯定の欲求から、自分の能力を過信する。つまり、自分の学歴、職歴、経験、判断力、器用さを過大評価する。+ これが他人になめられたくない気持ちと合流する。→ 病的な承認欲求を生む。(例:「以前俺は会社で重役だった」「俺は一流企業に勤めていた」などと言って、おまえらとは違うという態度をとる。)

◆◆◆ A向上心の喪失の形成 ◆◆◆

 【諦念】(死期の接近→諦念→向上心の喪失)

死期が近いことを意識する。→ 将来の成功への意欲が減退し、あきらめの気持ちに支配される。→ 自己の精神的成長に意義を見出せなくなり、自己向上に関心が湧かず、新しく学ぶことを放棄する。つまり、価値観やものごとの考え方、とらえ方、常識、社会状況の認識をアップデートしなくなる。(例:セクハラを行う。)

◆◆◆ B心の緩みの形成 ◆◆◆

 【麻痺】(経験の堆積→麻痺→心のゆるみ)

A.年をとるごとに、他人への迷惑を重ねる。→ 他人へ迷惑をかけることに慣れる。→ 迷惑をかける自分を許してしまう。(例:あきれる理由(飲み会、競馬など)で代理出勤を強要する。)

B.他人から迷惑をかけられた経験を重ねる。→ 自分だってやられたのだからと、罪悪感を持たなくなる。→ 迷惑をかける自分を許してしまう。(例:自分の仕事を同僚に押しつける。または、やらせるよう仕組む。)

 【軽視】(年金受給→軽視→心のゆるみ)

すでに年金を受給しており、経済的安心がある。→ そのため、たとえクビになっても生活していけると高をくくるようになる。→ 仕事に対する責任感が弱くなる。また、協同性がなくなる。(例:限度を超えてサボる。)

 【甘え】(人間関係の移り変わり→甘え→心のゆるみ)

親兄弟や友人と死別する。また、交友関係が希薄化する。また、一人暮らしで孤独になる。→ これらによって寂しさを感じ、心の中に他人に甘えたい気持ちがにじみ出る。→ 無意識に他人に世話してもらうことを求める。(例:自分が出したゴミを同僚に捨てさせようとする。(ついでに捨ててもらおうと意図して放置する。))

◆◆◆ C気遣いの衰退の形成 ◆◆◆

 【退化】(経験の堆積→退化→気遣いの衰退)

年を重ねるごとにだんだんと周囲に気を使うことが減る。→ 気づかいの能力が衰える。→ 他人への気づかいができなくなる。(例:人前で頻繁におならやげっぷをする。)

 【傲慢】(経験の堆積→傲慢→気遣いの衰退)

年齢序列に従って年を重ねる。また、管理職を経験する。→ 優越感が慢性化し、自尊心が肥大化する。→ 他人への最低限の敬意を忘れがちになり、他人の気持ちに配慮することを怠るようになる。(例:他人を非難や注意して、自分の誤認、誤解、勘違いであったと判明したにもかかわらず、相手に謝らない。)

以上が迷惑行為の原因である「加齢によって形成される(または強まる)心理」の形成過程です。これらは私が今までに接してきた高齢の同僚たちの日頃の言動からおおよそこんなところかと推察したものです。すべての心理を網羅しているわけではありません。私の理解を述べたまでです。

もちろん迷惑行為の原因となる心理は一義的に断定することはできません。個々の迷惑行為の発症は複数の心理が影響している場合があります。また、加齢によって形成される(または強まる)心理とは関係なく、もともとの個人的な人格の問題である場合もありますし、個人的な人格と加齢によって形成される(または強まる)心理が融合した結果である場合もあります。

けれども、迷惑行為の原因に加齢が大きく影響していることは確かであると思います。それに、よほどの人格者でもないかぎり、ほとんどの労働者は、高齢になると、職場で迷惑行為をやらかすようになってしまうとも思います。