このサイトは「内規公開法」の実現をめざす社会運動のサイトです。
◆内規公開法
〜労働者の知る権利の確立〜
補足 ※このページの読了時間はおよそ4分です。
このページでは以下のことについて説明します。
■用語説明
■組合規約の扱い
用語説明
ここでは「労使協定」「就業規則」「労働協約」「服務規律」これらの言葉の意味を説明します。
※わかりやすくするため、法律上の用語を使用していないところがあります。
※言葉の意味の簡単な説明であり、説明文章で挙げている例は網羅的ではありません。
【労使協定】
「労使協定」とは、労働基準法やその他の法律に基づいて、企業等の雇用組織(使用者)が、従業員と締結した取り決め
▲締結は書面を用いて行う。
▲事業場ごとに締結する。
▲従業員側で、実際に締結する者は、事業場の過半数以上の従業員が加入する労働組合、または、そのような組合がない場合に限り、事業場の過半数以上の従業員の代表者である。
<労使協定の内容となること>(公開によって知ることができること)
●賃金の支払いに関すること
●賃金の控除に関すること
●休憩に関すること
●時間外労働に関すること
●休日労働に関すること
●フレックスタイム制に関すること
●事業場外労働に関すること
●裁量労働に関すること
●有給休暇の計画的付与に関すること
●育児休暇の適用除外者
●介護休暇の適用除外者
●高齢者継続雇用の対象者
【就業規則】
「就業規則」とは、従業員の勤務に関する規律、待遇、人事に関する制度、就業における従業員の義務、などを定めた規則集
▲企業によっては服務規律を含む。
▲事業場ごとに作成する。
<就業規則の内容となること>(公開によって知ることができること)
●勤務のあり方に関すること(例:始業時刻、終業時刻、休憩時間)
●休暇に関すること(例:休暇の種類、夏季休暇、産前産後休暇)
●賃金に関すること(例:計算方法、支払い日、支払い方法)
●ボーナスに関すること(例:適用従業員の範囲、計算方法、支払い時期)
●退職金に関すること(例:適用従業員の範囲、計算方法、支払い方法)
●昇給に関すること(例:昇給制度、条件、昇給時期)
●従業員の費用負担に関すること(例:何を負担するか、どのくらい負担するか、資格取得費用、社宅費)
●人事異動に関すること(例:転勤、配置転換、昇格)
●退職に関すること(例:定年制、解雇、自然退職、退職予告期間)
●処罰に関すること(例:処罰内容、処罰の事由、処罰の手続き)
【労働協約】
「労働協約」とは、
@団体交渉、組合への便宜、従業員の組合加入、これらに関することで、企業等の雇用組織(使用者)と労働組合との間で交わした合意
A従業員の待遇や人事などに関することで、紛争の解決または紛争の回避のため、企業等の雇用組織(使用者)と労働組合または労働者代表との間で交わした合意
▲ただし、合意内容を書面に記し、かつ、これに両者の署名または記名押印のあるもののみを労働協約と言う。
<労働協約の内容となること>(公開によって知ることができること)
[@の例]
ユニオン・ショップ制を導入しているか、つまり、労働組合への強制加入があるか?
[Aの例]
上記の就業規則の場合と同様(労働協約の内容は就業規則の内容と大部分重なる)
【服務規律】
「服務規律」とは、企業等の雇用組織が定める、職場と就業中における、従業員の行動の規則集を言う。
<服務規律の内容となること>(公開によって知ることができること)
●服装、身だしなみの規則
●迷惑行為、ハラスメントに関すること
●備品使用の規則(例:私的使用の禁止)
●施設利用の規則(例:職務外利用の禁止)
●職務専念義務(例:職務中の飲酒の禁止)
組合規約の扱い
雇用組織内に労働組合がある場合は、その規約も公開させます。労働組合の規約は、雇用組織の内規ではありません。しかし、雇用組織の内規と同様に、雇用組織内において労働者が従う規則であり、また、組合費の規定があり、労働者にとっては重要なものです。そこで、労働組合の規約も公開の対象とします。
なお、公開義務を負うのは、雇用組織の使用者ではなく、労働組合の幹部とします。