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避難退職法 

会社から避難する労働者を守る盾

※このページの読了時間はおよそ4分です。

法案(試案) ※このページの読了時間はおよそ4分です。

以下は「避難退職法」の試案です。
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避難退職法(PDF)

※各条文の番号が「○」になっているのは、新たに条文を追加した場合に、その後に続く他の条文の番号をいちいち変更する手間をはぶくためです。お気になさらずにご覧ください。

避難退職法(試案)

<目次>
第一章 総則
第二章 避難退職者の免責事項
第三章 会社等の責務と禁止行為
第四章 雑則
第五章 罰則


  第一章 総則

(目的)

第○条  この法律は、避難退職における労働者の免責事項および会社等の責務と禁止行為等を定め、もって避難退職する労働者を保護すること、とくにその労働者の精神的苦痛を軽減すること、また、労働者の二次的な被害を防止すること、これらを目的とする。

(定義)

第○条  この法律において、「会社等」とは、労働者を雇用するあらゆる組織をいう。
2    この法律において、「避難退職」とは、労働者が会社等に非がある事由により退職する場合で、次の各号に掲げることを理由として退職する場合をいう。

一 労働基準法違反
二 会社等の業務における違法行為
三 会社等に責任がある労働者の重大な被害
四 使用者によるパワーハラスメント
五 酷使
六 求人詐欺

3    前項の各号の具体的な参考例については厚生労働省令で定める。

(国の責務)

第○条  国は、避難退職する労働者を支援し保護する責務を有する。


  第二章 避難退職者の免責事項

(退職者の免責事項)

第○条 労働者が避難退職する場合は、その労働者は次の各号に掲げることを免責されるものとする。

一 退職予告期間を守ること
二 職務の引継ぎ
三 健康保険証の返却
四 定期券等の交通券の返却
五 会社等に残置された私物の引き上げ
六 職場や寮などの清掃やゴミだし
七 新しい住所を会社等へ通知すること


  第三章 会社等の責務と禁止行為

(会社等の責務)

第○条 会社等は、労働者が避難退職した場合は、次の各号に掲げることを実行しなければならない。

一 退職者の給与は遅滞なく支払う。
二 源泉徴収票、離職票、退職証明書、雇用保険被保険者証、健康保険資格喪失証明書、これらの退職関係書類は、それぞれの定められた期限までに遅滞なく届ける。
三 年金手帳など退職者からの預かり物がある場合は、ただちに退職者へ返却する。
四 会社等に残置された退職者の所有物はただちに届ける。
五 会社等は、退職関係書類、退職者の所有物、預かり物の発送について、ハローワークより指示があった場合は、その指示の通りに発送し、その送料は全額負担する。
六 退職者より返却された備品の送料を着払いで負担する。

2    前項の第一号における各書類の発送の期限については、厚生労働省令で定める。

(会社等の禁止行為)

第○条 会社等は、労働者が避難退職した場合は、次の各号に掲げることを行ってはならない。

一 退職者に対して退職に伴う費用や損失の賠償を請求すること。
二 退職に伴う費用や損失の金額を退職者の給与から差し引くこと。
三 退職者に対して不利益や苦痛を与える制裁的行為を行うこと。


  第四章 雑則

(権利行使の制限の禁止)

第○条 会社等は、就業規則や誓約書等によって、この法律で定める労働者の権利を制限してはならない。

(避難退職者の支援)

第○条 避難退職する者は、次の各号に掲げることを行う場合は、国(ハローワーク)を介して行うことができる。

一 退職の意思を会社等へ通知すること
二 社員証、身分証等を会社等へ返却すること
三 会社等から貸与されている備品(制服や鍵など)を返却すること
四 会社等から送られてきた書類、自己の所有物、預けていた物を受け取ること

(雇用保険上の扱い)

第○条 雇用保険においては、避難退職する者は特定理由離職者として扱うものとする。


  第五章 罰則

第○条 第○条(会社等の責務)、および、第○条(権利行使の制限の禁止)に違反した場合は、会社等において、役員の地位にある者を五十万円以上百万円以下の罰金に処する。

第○条 第○条(会社等の禁止行為)に違反した場合は、会社等において、役員の地位にある者を3年以下の懲役または百万円以上三百万円以下の罰金に処する。